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昨年9月17日にオープンした、ディレクションを担当した炭火焼鳥「はる」(神戸市東灘区深江昨年9/15日記参照)の一周年。そんな立場で携わったのに相変わらず、やはり混み合うはずの17〜19日の半額セールには行かずに21日夕刻、ふらりと立ち寄ってみた。まだ開店前の17時45分、仕込みに追われる彼らを横に見ながら、僕は店内を暫し回ってみた。
窓に使われた和紙には、さすがに油の汚れや傷みも多少見られたが全体に綺麗に使っている。店に立つ者の愛着が感じられた。一通りぐるっと見回って、席に着く。18時の開店と同時に僕は、久しぶりに舌鼓を打つことにした。しかし、それも束の間、どんどんお客さんが入ってきて、あっと言う間に店内は埋め尽くされた。まだ他に予約も入っているという。何串か腹に入れて早々に席を立ち、僕は彼らに無言のエールを送った。この店は大丈夫だ。
店に5年と7カ月ぶりに、大学ラグビー部の同期が来た。彼は数少ないラグビージャーナリストの一人で、主にCS・ケーブルTVのJ-SKY SPORTSの解説をしている。局のスタッフの方との来店だったため、話し込むことはなかったが、5年の月日は感じられない。「懐かしい」とか「変わったなぁ」なんて言葉は出なかった。「朋友」とはそういうものか。
彼にはラグビーに関する著書がいくつかあり、専門雑誌や「Number」などの文体を見る限り、確実にその世界に足跡と「彼」という存在を残しているように思える。ある部分ではとても羨ましく、と共に「歯がゆさ」も感ずる。なぜならそれは、彼らの文章がラグビーを知らない人々に対してではなく、あくまでその世界に興味のあることを前提として発信するものであることが往々にして多い、ゆえのことである。何かもう少し低い視線というか……。
以前にも書いたが、ラグビーというスポーツは「解ってくれ」と伝えるものではない、クラシック音楽に似たようなものである。それは侵されてはならない聖域とも呼べ、どうせ解らないのならこちらから理解してもらう必要はないという、古い体制が蔓延し続けてきた結果が今の状況を招いたと僕は思っている。ならば、やはり誰かが違う観点・論点で伝えなければならない。
活字やメディアでは解り得なかった、伝わらなかったラグビーの魅力を掘り下げてみよう。今のラグビーを知る理論的・的確な指摘を彼が書いて、僕が間にエッセイなどを織り込みながらハートに訴えかけたり、一般人の目でこのスポーツに疑問符を投げかけてみる……僕達は短い時間に話すことが出来た。いつか共作でも書いてみないか、なんて提案したりした。
これが実現するかどうかは分からない。少なくとも大学時代には考えたこともなかった、ともすれば夢物語や理想論とも取れるこんな発想を、ただお互い歳を取ったと言うことだけに片付けたくはなかった。
※加納町志賀の『たまに吐くならこんな店!』
【日曜営業、23日月曜休みます】 【怪我人が多いと聞く神戸製鋼ラグビー 次の試合まで1カ月ほどあるようだが、毎年エンジンの掛かりが遅いように見受けられる神戸 何があるか分からないから、とりあえず僕もトレーニングをしておくことにしよう、とSteelers苑田には伝えといたが、さらっと流された でもハッスル(死語)加納町 志賀】
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