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■ 中毒性日記 2003
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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渋滞の先頭は何をしているのだろう?「地下鉄はどっから入れるんでしょうねぇ?」と三球照代の漫才を思い出していた(ちなみに地下で作るそうだ)。阪神高速にいた僕は、TVRのオーバーパワーを持て余し少しイライラしていた。

「AM1620」にラジオを合わせると、無機質な女性の声で渋滞情報が掛かる。無機質だが、リアルタイムの録音している人間の声はデジタル時代に貴重である。「京橋から生田川に掛けて、通過10分を要します」普段ならスルッと2分のそこだから、困ったもんである。自然渋滞なのか事故なのか、渋滞の理由は言わない。『先頭の有閑マダムが、運転し慣れてる地元芦屋を珍しく出たお陰で、トロトロ運転してやがるお陰です 後続車のクラクションにも「なんでアタシが鳴らされなあかんのよ!」と逆ギレしておる模様です』とでも流れたら、それはそれで渋滞も楽しめるはずだ。道路公団、一考せよ。

しかしその情報から京橋で降り、12年住んでいて全く知らなかったハーバーハイウェイを利用して六甲アイランドには約束の16時に着いた。こりゃ使えるルートだ。KFM(神戸ファッションマート・近所のファミリーマートではない)6Fに上がり案内されたそこのファッション・ラボは、多分僕に時間があれば一日中、いや毎日でも通いそうな資料・デザイン本・グラフィック……なんかが溢れてた。会員制だけに僕が立ち入るのはそうない話だが、これはとても必要な空間だ。アーティスト・デザイナー・フォトグラファーと呼ばれる人やこれからそれを目指す人、そして全く違う仕事に就く人にも、刺激となるであろう。

ソコしか見ない・知らないことを知識とし、他を見ることをしない知恵の無い人にとって、「感性」というものは拡がりを持たない。ましてやITを含むメディアで仕入れた情報だけを信じるゆえに、活字や写真といった「紙」に触れることをしなくなってしまう。本当に必要なモノは、リアルタイムの交通情報のように、生の声や手に触れることだと再認識したね。

そんなことを加藤嬢・高階嬢と語ったその後、素敵なカフェに案内された。多分Steelers平尾は好きな空間だ。南條賢太は一人では浮くだろうから、家族で来ることを勧める。KFMの南側にある住宅展示場内の「TRASH Cafe」70年代テイストが素敵で、目の前の池には金魚に餌をやるお爺さんが来たり、週末には家族が楽しんだりするようだ。店にいる男の子・コマちゃんもいい感じである。彼にとっては「家」みたいな場所らしい。こういう店は少ないね。

トイレは広場の共用トイレだったので表に出る。田舎の「離れ」の感覚は、何でもかんでも便利な時代に実は新鮮だ。手洗いに「この水はのみ水ではないので、のんではいけません」と丁寧にひらがなで書いてある辺り、おそらく広場に集まる家族の子供達に向けてのAttentionなのだろう。女子トイレからは水の出しっぱなしの音がしていたが、流石に入って止めるわけにも行かず店に戻る。

近代的な建造物、埋め立ての新興住宅地六甲アイランドにもアナログな場所がある。買い漁る事は出来ない高価な写真集やデザイン本を手に取り眺め、無機質に見える街の中に、ゆったりと流れる音楽をバックにカフェでコーヒーを飲む。人間はそんなにデジタルじゃない。忘れちゃイケナイ時間がココにもある。

帰る19時ハーバーハイウェイ、少しスピードを落とす。
無機質に思ってた六甲アイランドの灯りが、いつもより温かく見えた。


※「志賀」本日のコトゲンゴンその6《一(言)・提(言)・一過(言)》
【つまり「志賀」にもイイ空気がある、と遠回しに言っている日記なのだよ】

※ラブリー志賀の「干しぶどう日記・1日目」>>>キッカケはコチラ!
【天気のいい木曜日 その日差しに少し全体が小さくなりシワも出てきたが、まだ水分アリ 重たいし枝も青い これでいいのか干しぶどう?】

加納町 志賀とはどんなヤツ?
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