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■ 中毒性日記 2007
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
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ご主人様、志賀氏が風邪のようである。
よって、今日はボクが代理日記を書くケロ。


ボク達は、カエルである。「達」というのは、親子だからだ。背中には子カエルが乗っている。どちらにも、名前はまだない。5年ほど前に、京都の山科から神戸に連れて来られた。ご主人様の母親が、ベランダでずっとボク達を置いていてくれた。信楽焼や清水焼などという名士の出ではないと思うが、気が付けば「色んなモノが返ってくる」という縁起物として重宝される様になっていた。僕達は同じ方向を見てただ佇んでいるだけなのに、人間はそういう類いが好きなようである。

ボクの背中の子供は、頭の部分が少し欠けている。志賀母が、ご主人様に手渡す時に落としたせいだ。「縁起物だから…」ともらったはずなのに、京都を出る事が決まった途端にいきなり不吉だった。そりゃそうだ。ボクならまだしも、子供に被害があったから少々不機嫌になった。もう何も返さないでおこうとまで思った。ご主人様は「いらないよ」と突き返しそうになっていた。でも志賀母の強引な押しにやられて(それは多分、そのまま置いて行くのは親に悪い気がしたのだろう)、ボク達は京都を出て一路、神戸に旅立ったのであった。

ご主人様は新聞紙でくるんだボク達をすぐに出し、何やら背中の子供の手当てをしてくれた。何せ、いつも正面を向いているボクだから手術中は不安だったが、窓ガラスに映った姿を観て、それがパテのような補修剤とマジックで書いた右目だということが判り、ちょっとイビツだけどもこの主人の温かさに触れて、仕えてもいいかなと思った。なぜかその後は暫く、洗面所の整髪料などの並びに鎮座する事になった。実はアソコは、少々居心地が悪かった。またちょっとスネていた。

今年の夏、とんでもない猛暑にご主人様はボク達を外に出した。やっと外の空気が吸えてそれは嬉しかったのだけれど、焼き物だから乾燥肌であってもこの暑さじゃ干涸びてしまう。炎天下にバルコニーにいると、ジリジリ焼けるのが分かる。元々茶色だし、釜で焼かれた経験のあるボク達だけれど、あの暑さはひどかった。

ある日、ご主人様は直径20cm深さ8cmほどの器を用意し、そこに水を溜めてボク達の水風呂を作ってくれた。両生類とは言えども水は大層有り難い。しかし気付くといつも、ボクの子供は水面から出ていて暑さを凌げていない。また主人を呪ったが、こうなりゃ奥の手しかない。ただの焼き物だと思っている人間どもに、ボク達は「命を吹き込まれた焼き物という生き物」だと認識してもらう。ボクは身体全体でゴクゴクと、水を繰り返し飲み干していった。

近頃はとても寒くなって水を入れる事をしなくなったご主人様だが、暑かった夏に、すぐに減ってしまう「風呂の水」を怪訝そうに見ながらも、取り替えを何度もしてくれたことにとても感謝している。

だからこのご主人様が、過去に手放したモノやなくしてしまったモノ達を、そろそろ返してやろうと親子で相談しているところである。

※ボク達の写真は、 「BAR志賀」【ブログ版】へ!


※今日のヒトコト
【この話は本当で、未だに いつも水を溜めて2〜3日でなくなっている

※志賀氏的伝言板
ぴあ掲載誌、受け取りました!


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