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■ 中毒性日記 2008
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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木曜日、板宿にある三宮大学教授の治療を受けに行く。その後、三井住友銀行に向かいそのまま裏道を抜けるいつものルートを辿る。

神戸の震災の時間で止まっている時計は、あの瞬間を忘れない、そんな意味合いでマチのどこかに残されていたりする。三宮なら東門山手幹線道路角の麒麟ビルの外壁に見える。板宿の裏道にも、それと同じように止まっている時計がずっとある。そこは酒屋らしいが、建物は明らかに新しいゆえに罹災したのだろう。風化もしないし忘れるつもりはないが、何かと厳しい世の中だ。忘れそうにもなる。僕はたまたま震災に遭い、その年の8月に店を始める事を決めた。それらがいつまであるのか分からないが、そんな時計を見る度に頑張れる、我を張れる気がする。

腹ごしらえにいつもの中華を覗く。相変わらず、そこの中国人息子は周りが見えないようである。忙しくなると妙に丁寧な日本語の語尾がフェイドアウトして、最後まで言えていない。僕は定位置、カウンターの一番左に陣取って、その姿を家族を見守るように眺めている。「お水ください」と誰かが言ったので、僕も少なくなったグラスをこれ見よがしにテーブルに置き、息子を待ってみる。しかし息子19歳はその一人に水を入れた後、他に回るでもなくレジキャッシャーに水と共に落ち着いている。まぁ、この店の味でもあるから、それはそれでいい。

大衆中華、それもこの店のように中国人家族で経営する事はともかく、店として捉えた場合「ついで」を見つける目も必要である。サービスに於いて、それだけのために動く事は、客側としては悪い気はしない。しかしながら、「ついで」と思わせないようにソレを作る事で、サービス人員はそれほどいらなくなる。「それしかできない」職人気質は主に、パントリー、厨房にいるものだが、昨今は「片付けながら料理(ドリンク)を作る」という当たり前のスキルがない人間も多いと聞く。

片付けとは、何も洗剤を使って清掃をするという、帰り際の行為を言うのではない。もう何度も書いているが「元にあった場所に、それぞれを返す」つまりオープン時と同じカタチにするだけの事だ。つまり、水は入れないより最初の状態に入れる方(過ぎない程度に)がいい。僕のように一人で店に立つだけでも、稀にアレはどこに行った?などと探す事もあるが、これが表と裏にアルバイトや社員などが入り乱れて動く繁忙店ならば、「極々当たり前の行為に対するズレ」が、大きくなってしまうものである。言うならば、距離の出るドライバーショットを打つ人の方がOBの確立が高い、と同じ事だ。なんじゃそりゃ。

お客様に違和感を持たせず時間が流れ、やたらと効率の悪い人数のホール担当もいない。そんなシンプルな店がいい。それは喫茶店でも和食、中華、洋食屋でもお好み焼き屋でも焼肉屋でもフレンチでもイタリアンでもファーストフードでもファミレスでもバーに於いても、つまりどんな飲食店でも共通する基本的な話だ。

とは言えあの中華のように、不器用ながら賢明に働く姿は見ていて心地良い。

だから、ヤミ専従で支払われた額には最も腹が立つ。話題、変わってもうた。


※今日のヒトコト
【北京オリンピックの開会式が4時間あって、その間、観客やスタッフだけで 570人もの人が救護施設の世話になった という記事を読んだ 長過ぎる…映画や舞台じゃないが、時間をまとめるのもエンターテインメントだと思う】

※志賀氏的伝言板
【ダジャレー男爵よりジョイマンへ 「♪CG?そんなのいいもん、チャン・イーモウ〜」  …助けろ 静か過ぎて、壊れそうだケロ

※お知らせ
【志賀クリエイティブディレクション担当  旧居留地東の京町筋(ジル・スチュワートの2F)に、7月13日オープンしました! >>>『cafe CARTA(カルタ)』


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